ぼっぺさん



筋肉を使わずに使う、という新しい発想。


実は普段の生活からは気付きにくいだけで、『演奏する』という特殊且つ非日常的身体行動に関しては、至極根本的にして必要な発想なのかも知れない。

兎に角ここ暫く、後頭部背中にかけての筋硬直が激しすぎる。自分では力を抜いているつもりが、身体がというか“筋肉が”勝手に力を入れておりそれがデフォルトになっているため、自身が意識的に力を抜いたとしても根本的にはまったく抜けておらず、結果として恒久的に肩が前に引っ張られて胸筋が収縮した状態で硬直し、連動して頸部周囲の筋肉が引っ張られ続け攣りやすい状態になる。

最近デックングの癖はかなり抜けてきたが、癖とはこれまたまったく別の域で下顎筋が勝手に硬直し頸周りが重くなり、声帯筋が締まり軽い窒息状態になる。

普段から自分の頭を支えておくことすら負担であるオレの身体は、常にC6・7(第6・7頸椎)に負担が掛かり、ここを中心とした上下の筋群が常に硬直した状態になっている。隆椎(第7頸椎)は正に状態悪化のグラウンド0である。

♪そんなこんなで、ぼっぺさん


誰ゃそれ。

「ルビーの指輪」で団塊(&Jr.)世代にはお馴染みの歌手@寺尾聰さん。彼、ほっぺにほくろがふたつでぼっぺさん、らしい。素敵な俳優さんでもあられるが、彼の歌い方がね。なかなかにいいツボ突いているようである。

彼の特徴的な歌い方を、皆さんは覚えておいでだろうか。あの、あまり口を開けないでぼそぼそと歌うスタイル。当時よくモノマネもされたが、ほとんど歯を閉じたまま唇を少しだけ開けて歌っている。鼻歌混じりにも聴こえるが、それでも寧ろ歌詞はしっかり聴き取れる。高音も低音も、ほぼ同じ口元で歌っているにも拘らず、ちゃんと音が出ている。

寺尾聰、恐るべし。


そんなぼっぺさんの真似という訳ではないが、兎に角デックングをどないかせにゃならんと思った頃(ぃや勿論昔からの課題ではあったんだが、特に1年位前?)、このデックングのせいで声帯筋に過度な硬直や疲労が出てるんでないかと思い、発声練習時にコンコーネを強めのハミングで歌った後、作品でもまず歯を閉じ唇だけ軽く開けた「い」の状態で練習を始めた。「あ」や「お」で歌うと下顎が自由になる分デックングする確立は高くなる。が、歯を閉じてさえいれば顎は常に正しい位置にある上に、動かす必要がない分、声帯周辺筋の運動量とそれに伴う疲労も抑えられる。勿論、それ以前に顔や口や何やら、兎に角筋肉という筋肉は動かせるだけ動かして無駄な筋硬直は取っておく必要はあるが(⇒準備運動あれこれ1~5参照のこと)。動かした後の動かさない練習。動かさずして動かす訓練。

因みに下顎を動かすのは勿論主に顎舌骨筋であるが、これに伴って稼動し疲労する筋群は、冒頭の画像のように広範囲に渡る。



備えあれば嬉しいな♪


何処をどの程度動かし、どの程度動かさないか。何処をどう動かした時に何処が動かないのか。その結果、何処をどの程度動かしどの程度動かさなかったら、何処にどの程度の硬直が残り、新たにどの程度の疲労が何処に出るのか。

これらを脈絡的に意識出来れば(説明は出来ずとも)、とりあへず今の状態から脱却する1つの手立てにはなろうかと思う。これまた哲学の小道に迷い込みそうであるが。

兎に角、身体を起こしているだけで、否起こさずとも身体的生命活動しているだけで、生きている筋肉は細胞活動レベルで動いており、それが即ち筋疲労果てには筋硬直になって現れる。本人どんなに休息していようとも自身は疲れずとも、生きているだけで身体は疲労し壊れていく。まぁ解らんではないけどね。身体ご苦労さんとしか言いようないけどね。

非日常の為に、日常から何かしら考えて備えておくのも大事でしょ。避難訓練と一緒で<ちょっと違う?




G-clef

このHPは、楽器本体である身体と声を通じて、線維筋痛症で末梢神経障害で脊椎側彎症で性同一性障害の声楽家@♪こーへー♪自身に起こる希少な症状と現状を、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いを込めた活動記録・告知サイトです。