ブログに載せるほどではないが、心に留めておきたい事柄、覚えておきたい言葉など、つぶやき程度に。
sotto voce とは「小さな声」を意味する楽語。ホントに「そっと」した声なんです。


【2017.09.04.】遣り甲斐


唱歌を前面に押し出したリサイタルを始めて早…えぇと何年経ったかな。長年続けてきて嬉しいのは、こちらから発信したものを精神的に魂で受け取ってくれるお客様がたまに現れること。勿論演奏を楽しんでもらえるのもあり難いが、もっと奥の、本当に訴えたいもの届けたい事をちゃんと受け止めて自分のものにしてくれる人。

毎回思う。うちのお客様ってレベル高いなぁ。


【2017.01.06.】ギャップ


先日、一般の唱歌への理解度の低さ・認知度の低さを痛感した記事があり、ちょぃと横槍を入れてきた(この記事に関しては、それ以前に記者のジャーナリストとしての姿勢に大いに疑問を感じてちょぃとキレかけたが)。


♪あかねだすき~は本当? 京都・宇治、調査協力呼び掛け
  京都新聞WEB 2017年1月2日記事
  http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170102000026

自分が長年地道にやってきている、原典に重きを置いた唱歌布教活動(?)の必要性と重大性・重要性を切に感じた。日本全国行脚するか?!<やれるものならやりたい


因みにこの歌、静岡に伝わる茶摘歌が元になっている。と音楽の教科書にも載っていたんだがな。今はそもそも唱歌が教科書に載っていないし、まぁ一般人は教科書に載っていようが覚えてもないんだろうなと。こういう現実に出くわすと、やはり温度差を感じてかなり虚しくなってしまう。
音楽家としてではなく、日本人として。


【2015.03.21.】ストレッチ


本番直前の合わせが祝日ということで、直前に整骨院に行けず、前日の鍼治療に賭けた。幸い、頭頸部の過緊張に合わせた治療が功を奏し、更に念の為に普段は入らない湯船にも浸かり、翌朝まで楽な状態を保つことに成功。更に身体が楽なら出来る筈と、いつも整骨院でやってもらっている首筋のストレッチを自分で出来る範囲内で実行。じっくりゆっくり少しずつ念入りに伸ばすこと約30分。あとは前屈で腰から上が脱力出来れば完璧。試しにハミングしてみると、軽々とE5より上が出る。ヨーデルも跳躍も軽々。


温かかったことも一理あるけど、やっぱりストレッチが出来ると助かる。普段それすら出来ないだけに。体調が少し上向きな証拠かと。
本番当日もこの調子を忘れないようにして、後はリラックス。


【2013.11.24.】またも声帯炎、発声障害


喘息のせいなのか、薬の影響か、いずれにせよF5~上が出なくなった。
3年ぶりの大風邪から、暫く小康状態だった喘息の大発作を引き起こし、連日朝晩呼吸が出来ないほどで精根尽きる毎日を送る。演奏会の当日朝も咳き込み、直前にも咳き込み、終わってからも咳き込み。


演奏家人生で初めて体調不良による内容の変更を余儀なくされ、それを決行する決断に至る。まぁ以前失敗したからね。今はそんなことより、また声がちゃんと戻ってくれるかどうか。薬が使えないだけに、それがとにかく不安でならない。


【2013.11.03.】唱歌の楽譜


唱歌はその性格上仕方の無いことだけど、移調譜があまりにも多く存在していて、一般的に知られている、自分たちが習ってきた歌が実は原調じゃ無かったって作品が結構存在する。


普段から詩にしても曲にしても、とにかく原作重視の当家・四季シリーズ。今回山田特集をするにあたり、一番困ったのが「荒城の月」。瀧廉太郎の原作に、山田耕筰と本居長世の2者が編曲している。山田は原調より短3度高いd:版(ニ短調)、本居は原調ままのh:版(ロ短調)。本居はこの曲が唱歌として作られたことと原作者の意図を重視し原調のまま伴奏をつけた。一方山田は、ソプラノ歌手・三浦環から編曲依頼された際、これを日本歌曲として西洋に出すことを念頭に敢えて移調・編曲。このため同じ曲に対して2版存在することは理解する。

しかしながら、この2版をミックスしたいい加減版が堂々と存在することに今回気付いた。ぃや実は、以前不覚にもそうと知らずに一度この版で演奏したことがあった。キーが原調で伴奏が山田版。歌ってみると……やっぱりどこかしっくりと来ない。旋律もごっちゃごちゃ。これでは、本居・山田論争以前の問題。廉太郎先生を含めたお三方に失礼極まりない。


声楽家として自分がどちらで歌うかと考えれば、やっぱり山田版かな。


【2013.05.12.】治療か演奏か


ようやく薬が抜けてきた……って言ったら聞こえがアブナイが、先述の音声外来専門のお医者さん(ホントに診察1時間!)に診ていただき、結局ステロイド系のアレルギー喘息の薬を長期服用したせいで声帯が炎症を起こしていたとの事で、4/19に服用をすべて即中止した。

止めて約3週間。やっと以前のように楽に声が出せるようになってきた。残留薬がとうとう体内から抜け切ったらしい。よく効いてたんだなぁと実感するのは、声が出やすくなっただけでなく、そりゃぁもうアレルギー症状のヒドイこと!!

あっちを押せばこっちが出っ張る、というヤツで、喘息をとるか声帯をとるか。解っちゃいるけどさ……どっちも大変なのよ(TT)


【2013.04.09.】音声外来


受診してきた。阪大の専門外来で、喉頭鏡なるもので初めて自分の声帯を見た。結果、まずは声帯が腫れているとのこと。
診察室に入るなり空気の変化で咳き込み、声帯が腫れているのは喘息で咳き込むから、とあっさりと片付けられた。ホルモン療法の事とか声楽のこととかそっち系はあまり詳しくなさそうで、10分程度で診察終わり自分的にはいまいち不満。


という訳で、別の音声外来専門医(GIDの音声専門医でもある)に電話したら、診察に1時間かける先生らしい。これは聞きたい事知りたい事が解明出来るんじゃなかとかなり期待の今日この頃。とりあへず、GIDのホルモン治療に係る変声期の声帯の変化とか知りたいから。


【2013.03.31.】高音出てます


何だったの一体?? 本番突然の失声症にマジで恐怖を感じた今回の演奏会。


今のところ、何ら問題なく、寧ろ以前より声が出しやすくなっている。また注射の翌日だから調子いいとか??
自分でも予測できないコンディションに振り回されることが何より厄介な今日この頃。一喜一憂している時点で、まだまだ修行が足りていないということだけど。


【2013.02.11.】声が出せない


歌声どころか、普通に喋るときもハスキーすぎて声が出せない。風邪か?!? BTX注射の副作用か?!? それとも・・・?
どうやらかつて、ホルモン注射を始めた頃の副作用(?)と状況が似ている。打った翌日から声が掠れて息苦しい。今日現在注射2日なので、恐らくはその影響かと。


しばらく様子を見ることにしつつ、発声練習してみたら C6(W-High C) が出た。問題はやはり、胸声を使う音域らしい……


【2012.12.12.】お客様と創る


今回の演奏会、実はソプラノ&テナーの二刀流デビュー戦。低音もなかなかウケがよく、自身も無理なく出せたかと。

そんな晴れ舞台になんとお客様から、今回の舞台に花を添える素敵な作品をお持ちいただいた。ご自分で作られたステンドグラスのお家。SO WONDERFULL!! 本当にありがとうございました♪

お客様側からこうして演奏会を盛り上げてくださるなんて超感激!! こういうのも、まさにサロンコンサートの醍醐味の一つかと。

聴いてくださる方があっての演奏家。さぁ、来期も頑張るぞ~~~~!!


【2012.05.07.】じっちゃん


5/5はぼくを声楽家として見初めて後押ししてくれたパパ・永井こと永井一先生(大音創始者の関係者)の命日。肝っ玉じいちゃん(w)って感じの音楽評論家で、コンクールとか言うやつを敬遠していたオレに、堺新人に出ろ出ろってしつこく迫って(w)根負けしてじゃぁ出ますって言ったら審査員長でビックリするやら笑い堪えるの必死やら。


本選でぼくが持ってったロシア歌曲に0評価出した審査員にカミナリ落として、声楽家としての本人自身を評価してくれたのはパパ・永井が居てくれたお陰。その後素晴らしい先生にも引き合わせてくれたり、ほんとにお世話になった。


今の声、じっちゃんに聴いてもらいたかったなぁと、ちょっと思ったり。


【2011.02.08.】Хорошо!(ハラショー!) いいじゃん♪


ロシア歌曲と出逢ったのは大学1回生。以来、その魅力に取り憑かれ歌い続けてきた。
日本国内云々以前に、クラシック界の中でも異端扱いとされ、一般の人が生でほとんど触れることの出来ないロシア歌曲。「暗い」「辛気臭い」と揶揄され、あるいは言語が読み辛いただそれだけの理由で、クラシックじゃないと罵倒されたことしばしば。

しかし『自分が知らない言語だと言うだけでその国の文化そのものを否定するのは、その国の人に対して大変失礼だ』と師匠の熱い教育を受けた。

ロシア歌曲も日本歌曲も、自分らしい面を発揮出来る分野だったのかも知れない。やるべき事だったのかも知れない。
改めて実感しつつ、ロシア歌曲に出会えた事に感謝!!


【2010.11.22.】だいぶ楽になってきた。


身体の歪み。背骨の矯正をメインディッシュにして整骨院に行ったわけではないが、ダメ元で相談した積年の歪みも辛さも、真っ向勝負で挑んでくださる先生の存在だけで、ぼくにとってはもう治ったも同然同義。
声楽家は自身の身体が楽器。それが故障していては、どんなに頑張っても相応のものしか出せない。そもそもそんなことでは聴いていただくお客様にも失礼。


まだまだ先は長いだろうけど、昨日より今日、今日より明日、そしていつか振り返ったとき、無理していたことを笑い飛ばせるように。


【2010.09.12.】知識は実践することで技術になる。


いい言葉じゃぁないですか。ある日のNHKのニュースの中で、年配のパティシェさんがおっしゃった言葉。
知識は重荷にならない。だけど実践・経験しないと、身につかない。

大学を出るとき、師匠がしみじみとこう言われた。


~上(大学院)に行くのもいいけど、本番は一番の勉強になるから、どんどん演奏会をやりなさい~


ホントは院に入って欲しかったとも言われたけど、色々な事情でそれは適わず。そんなぼくに、兎に角君は歌い続けなさいと。
いつも本番は悔しい思いや恥ずかしい思いばかり。それでも昨日より今日、今日より明日、自分が育つ機会を持てたことを感謝しつつ、本番に向かいます。