ひばりはうたひ


 瀧廉太郎・東くめ・東基吉・鈴木毅一 4名により編纂され1901年出版された、幼稚園児向けの初の口語体・伴奏つき唱歌集『幼稚園唱歌』。その中の第2曲目に掲載されている『ひばりはうたひ』は、東くめ作歌、瀧廉太郎作曲による。
 幼稚園唱歌の中では、24小節と少々長めの曲であるが、田舎の春の長閑な風景とウキウキはしゃぐ子供の様子が見て取れるような、大変かわいい作品である。


ひばりはうたひ 蝶々はおどる
春の野山に 遊ぶはうれし
ここにはよめな そこにはつくし

たんぽぽ すみれ れんげばな

花をばとりて 草をば摘みて

うちのかあさんへ おみやにしませう

 「おみや(お土産)」ってなんかいいなぁ♪

 伴奏付とは云え幼稚園児向けであるし、当時の先生方はまだろくにピアノも弾けなかろう。増してやピアノ自体そうそう無かったご時勢。オルガンでも簡単に弾ける様に、伴奏は極々簡単に、右手の旋律に対して、左手に簡単な和音かアルベルテバスを付した程度のものである。
 瀧は、「最初は伴奏無しで子供達に口伝えで教え、子供達の上達に合わせて少しずつピアノを入れていけばいい。伴奏もこの通りに弾く必要はなく、先生の技量に合わせて、音を省いても良い」と註を入れている。子供達にまともな音楽教育を受けさせたい、と熱い情熱を抱きつつも、教育そのものに過大な負担を掛ける必要はなく、まずは子供達に楽しく歌わせることを主眼に置いた瀧は、音楽の才能だけでなく、教育の才能も優れてあったに違いない。

 長生きしておられたら、国樂の繁栄のみならず、後世の音楽教育にさぞ大きな貢献をされたであろうと思うと、やはり残念無念である。

 さて、次回の演奏会では他数曲を歌うにあたり、一応独唱×ピアニスト用に両手伴奏譜に現在順次編曲している。瀧氏の左手を生かし残しつつ、作品の雰囲気を損なうことなく。これが結構難しい。単純な作品であればあるほど、触りにくいもんである。

 童心に還り、初心に還り、のびのびと歌いたいものである。


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因みに上の絵は、これの応用編。

『春の野』

3色パステルアート習作。2019/05/02画



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