今年こそは

気付けばもう本番２ヶ月前である。次の本番まで此度は３ヶ月のスパンがあるため、つい余裕ぶっこいてしまっていた。勿論何もしていなかったワケではない。ネタ集めとか、ネタ集めとか、ネタ集めとか＜ＭＣの準備かぃっ?

ぃや、歌うに関してネタ集めは必須である。作品・作家の背景や制作の過程は、演奏に於いて重要な隠し味である。勿論MCに欠かせないネタになるものもある。

此度は元々10月半ばの秋ネタで選曲していたのだが、自分の体調や共演者の都合諸々の兼ね合いで１ヶ月ズラすことになった。殆どの曲はそのままなので特に唱歌に関しては季節的にちょっとズレ感があるが、もう一つの裏テーマとして「追悼」関連がある（表テーマは「音楽に込められた愛情」）。親しい人の墓の前で思いに耽ったり、作者が身内を亡くした逸話が作品の背景にあったり。古今東西、身内や親友の死を歌にしたものは多いが、処変われば品変わり、時代背景もバラバラゆゑ、一概に「死」と言ってもそれぞれ作品毎に受ける印象も違えば、表現もそれによって変えなければならず、こういう勉強の仕方はなかなか有意義かと思う。言うなれば一人何役もの演じ分けのようであり、勿論大変ではある。そもそも１ステージで４ヶ国400年間の作品を一遍に演奏すること自体、ふつうはあまりしない。まだまだ対応し切れていない自分がいるが、そこはこれからも修行鍛錬のために続けていかねばと思う。

何より楽しくて仕方ないワケである。

さて、そんな毎回過酷な練習であるが（笑）、昨日今日と、これまでより楽に声が出せた。胸は苦しいし身体はだるいしあちこち痛い事には変わりはないものの、いつものアルデンテな声と違い、フェットチーネかニャッキみたいなもっちりした声が出た。伸びもいい。第一声自分の声でないような気がして、自分でも「お?!?」と思ってちょっとワクワクした。

特に何を変えたワケでも気にしたワケでもない。いつも通りに声を出しただけ。確かに後頸筋に関しては昨日今日は楽である（相変わらず腰は痛いが）。週末結構疲れた筈なんだが、後頸筋群の過筋張対策に湿布をしておいたお陰もあろうか、然程の悪化はしていない模様。今のところ顔面痙攣があまりないのもいいのかと思う。

まぁ音抜けはたまにするけど。それは今のところどうにも仕方ないらしい。音抜けを気にしすぎて下手に声を押し出して音楽を潰してしまう方が良くないので、今の状態ではそこはあまり気にせずにおこうか。折角頸部筋が何とか落ち着いているワケだし。

確かに例年、９月初旬は１年のうちで一番体調が安定或いは上昇の時期である。９月の演奏会は大体調子いい。ま、すぐに下降するんだがな。逆に４月の演奏会はほぼ成功しない。あ、年単位での天辺と底？

次回の本番は11月後半ゆゑ、恐らく絶賛下降中かと思われる。何とかしてこのままを保ちたいところであるが、まぁそうは問屋が卸すまい。せめて気候季節がまともに順調に移り変わってくれることを願おうか。過去２シーズンつまりは Salon G-clef 開催以降、11・12月の演奏会は中止・延期で結局中途半端に終わっている。今年こそはちゃんと最後を締めくくって終えたい。

今年ももう2/3が過ぎたワケで、そろそろ来期のスケジュールも立て始めないとなぁと気が急く。４年目でマンネリも避けたいし、来期はもうちょっとしっかり仕立の演奏会もしてみたいし。

そろそろまたちゃんとした演奏会しとかなアカンな、ちゃんとマージン取らなアカンな、とは他の同窓生の演奏活動を見るにつけ常々思う。みんなちゃんとまともな金額提示してるもんなぁ。まぁオレは自分が勉強したくてしてるんだが（みんな同じかｗ）、自身の信念でもある『等価交換の法則』から、実は自分が一番遠く外れた所にいる。本来なら Salon G-clef、3,000円は見積もってもいいところなんだろうが、隔月開催というのもあり、普段こんな片田舎で聴く機会もないようなクラシックのそれも声楽の演奏を生で身近に気軽に聴いてもらうキッカケ作りの場の提供として始めたようなリサイタルなんで、これに関しては今更どうこうしようもない。然しながらたまにはまともな本気ぶっこいた演奏会（ぃやいつも本気ぶっこいて身体壊してるワケで）ってのもやっておかんと、プロとして感覚鈍るなと。

とは言え難病総合症者な車椅子ライダーゆゑ、行動範囲の制限やら行動力の限界やら単に過度の人見知りだとか色々大人の事情（？）もあって、なかなか自分一人では実現に漕ぎ付けるのが難儀というのも問題なのだがね。

誰かプロデュースして～ｗ＜結局他力本願かぃっ（笑）