その時のすべて


うちの演奏会ではいつもアンケートを配ってるんだが、皆さんそれはそれは熱心に、ぎっしり色々書いてくださる。それを読ませていただくのが毎回楽しみで。
演奏会だけでなく、なんとアンケートを書くのも楽しんでくださる♪ なんて嬉しいお客様。


今回はプログラムの中で色んな聴き比べ(現行歌詞と原典歌詞/唱歌とモチーフ歌曲/唱歌と歌曲 etc…)をしてもらったんだが、楽譜を見比べてみたいとか、学校で習った歌詞が原典で嬉しいとか、気になってたことか解決したとか、皆さんそれぞれちゃんと自分の記憶や知識と比較検討して、それをしっかりと書き留めてくれる。演奏会で得たことを血肉にしてくれる。そういう反応がいつも嬉しくて。

ぼかぁ幸せだなぁ~♪


そんなアンケートの『ご来場に際し、何に興味を持たれたか』という項目に対し、「その時その時の全て」とあった。


オレが性同一性障害で治療する以前からずーっと演奏会に来てくれて、変遷を見守り続けてくれている、一番熱心なお客様。声の調子のいい時も悪い時も、体調のいい時も悪い時も全部、悪化してきたその経過もよくご存知で、その時その時のオレの声も覚えてくれている。

オレがいつも演奏会を、たとえ客層がいつも同じでも『一期一会』と思いやっていることがちゃんと伝わってるなぁと思えるコメントを見つけると、こんな嬉しい事はない。


歌そのものもそうだが、演奏会のその場にいること全て、空気や振動や温度やテンションやその時のお客さん本人の体調や相互の遣り取りや、そういう事全部ひっくるめて同じ状態は二度とないわけで、それをちゃんと理解して演奏会に来てくれる、毎回ちゃんと受け取ってくれる、それが何より遣り甲斐を感じる。

長年やってきてよかったと思える瞬間である。


ドイツ歌曲辺りから声の伸びがぐっと良くなられて良かったです♪」って本番終わってから感想いただいて、ボロボロなんバレてるやーん!とビビッたけどね。いつも鋭いツッコミをくださる、いいお客様である。

コレに甘んじることなく、もっと精進せにゃならんね。




G-clef

このHPは、楽器本体である身体と声を通じて、線維筋痛症で末梢神経障害で脊椎側彎症で性同一性障害の声楽家@♪こーへー♪自身に起こる希少な症状と現状を、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いを込めた活動記録・告知サイトです。