2009.07.29 15:00■原色のワルツ履き慣れないパンプスで闊歩するその足の裏に、妙な音と凹凸を感じて彼女はぎこちなく立ち止まり、恐る恐るその足を上げた。 踏んづけたのは自分だけではないらしい。が、まだ真新しいその学生証には明らかに彼女の靴跡が一番クッキリと付いていた。彼女はそれを拾い上げ、自分のパンプスの跡をまじまじと見つめた。 「あっちゃぁ……」 表紙のみ厚紙のその小冊子...