曼珠沙華 ~音楽に込められた愛情

G-clef Presents mov.40 : ♪非日常空間♪ Salon G-clef Concert 第16弾

 2018/11/18(日) 13:30~15:30


開演前から楽しんで

パワーアップした作曲家年表に、学生時代からこれまでの自身の本番の写真、毎回恒例のドレスのディスプレイ。「あのドレス、これかな」「これ若いなぁ♪」「これ何時のやろ?」など、開演前からお客様が楽しんでくださる。今回は学生時代の初代ピアニストが娘さんと一緒に来てくれ、お客様を巻き込んでのお喋りタイムに一役(?)買ってもらったり、毎度ながら始終和気藹々と開催することが出来た。


物理的負担には勝てない

本人的には満足のいく結果は得られなかった。前日の不眠、そしてまたしても痙攣である。

午前中既に胸鎖乳突筋・舌骨筋が2回派手に攣り、不穏な空気ではあった。それでも発声練習は滞りなく無難にこなし、これならイケるだろうと半ば安心し寧ろ楽しみに開演を待っていたところ、開けてビックリ、またも突然身体の自由が利かなくなった。やはり乳突筋の痙攣が大きな要因となり、ほぼ始終引っ張られ、デックング状態のまま脱する事は出来なかった。何度か鎖骨付近を押さえながら歌ったりしたが、その時は一瞬楽に声が出るもののまたすぐ攣り硬直し始め、High-G 以上がコントロールしにくくなった。右上腕三頭筋・大円筋・上部腹直筋も早い段階から攣り続け、痛いゎ動悸は出るゎ呼吸は浅くなるゎ支えは効かんゎで声がまったく安定せん。結局痛いまま歌い続けるうちに最後の最後辺りでやっと治まったが、それでも無理矢理声を絞り出すような悪循環には陥らなかったので、そこはある程度評価してもいいだろうか?

こればかりはなぁ、物理的に負荷が掛かると自分ではどうしようもない。まぁそこも含めての演奏会である事自体お客様は百も承知なので、こちらも胡麻化さず包み隠さず、「ぃやー実は今赫々然々こんな状態でして、声が出ませんでしたー」等そこからの筋肉談義をしてみたり。そういう身体的障害的なお話も、演奏と関連して遠慮なく聞いていただく。その変化を目で見、耳で聴き、雰囲気で感じていただく。言い訳ではなく(まぁちょっとは?σ(^ω^;;))、実際に起こっている現象とそこから発せられる音声について、曲を通して理解していただく。そういう当演奏会ならではの特殊な楽しみ方としては、今回もガッツリ正面から皆さんにお見せ出来たかと思う(という逃げ道w)。


唱歌に尽きる

当演奏会シリーズは、それこそ唱歌を絶やさんとの切実な想いから始めて、来年で10年目を迎える。途中から西洋の歌曲も取り入れオムニバスな感じで、季節を取り込んだ色々なテーマに沿って演奏してきたが、やはり根底にあるのは唱歌と日本文化への強い想い。日本の芸術音楽の経緯と敬意。そこに毎回皆さんが共感し盛り上げてくださるお陰でここまで続けられたと思う。また来年も盛り沢山な内容で1月からスタートする。そんな演奏会の姿勢に前述のピアニストも共調してくれ、また新たな試みが始まりそうな予感である。なんでも続けるもんやね。

原典に拘り、現代に伝わる形との相違点を鑑賞していただく目的ながら、当本人がガッツリ歌詞を間違え、またそこにツッコんでそこから話が広がったり。お客様の記憶を試すわけではないが、演奏の間違いを指摘出来たらそれはそれでなかなか通なお客様だなと、たまに感心させられたりもする。


まだまだこれから

流石に今日は身体が痛い。体重もやはり減っていた(まぁそれは当たり前か)。技術をどんなに磨いても(ってまだまだであるが)、思うように身体が動いてくれねば元も子もない。そんな状態も込みで「オレの演奏」というものをちゃんと正面から受け止めてくださるお客様がある限り、まだ歌えるし歌わねばならんなと、今日の演奏会を終えて改めて気を引き締めた次第。また「通りゃんせ」のように1曲の中でテノールとソプラノを使い分けた構成にも興味を持っていただき、自分にしか出来ない演奏・この身体ならではの聴かせ方など、G-clef らしさを意識しながら新たな挑戦も盛り込んでいきたいと考えている。

結局今日は、アンコールの唱歌が一番良かったかな。皆さん気に入っていただけたようで、実はオカワリ要求された(*´艸`*)。また来年、今度はもっとガッツリやりますよー🎶

ご来場の皆様、本当にありがとうございました。


<プログラム>

唱歌:----------

♪案山子

  尋常小学読本唱歌[二]

♪村 祭

  尋常小学読本唱歌[三]

♪叱られて

  曲:弘田龍太郎
  詩:清水かつら

♪十五夜お月

  曲:本居長世
  詩:野口雨情

♪通りゃんせ

  曲:本居長世
  詩:野口雨情

♪七つの子

  曲:本居長世
  詩:野口雨情

♪しゃぼん玉

  曲:中山晋平
  詩:野口雨情


日本歌曲:----------

♪ちんちん千鳥

  曲:近衛秀麿
  詩:北原白秋

♪曼珠沙華(ひがんばな)
 ~『AIYANの歌』第4曲

  曲:山田耕筰
  詩:北原白秋

♪この道

  曲:山田耕筰
  詩:北原白秋

♪北秋の~『沙羅』

  曲:信時潔
  詩:清水重雄


イタリア歌曲:----------

Ombra mai fu
 安らぎの木陰

  曲:ヘンデル
  詩:ニコロ・ミナート

Caro mio ben
 愛しい人

  曲:トンマーゾ・ジョルダーニ
  詩:不詳

Ave verum corpus
 アヴェ・ヴェルム・コルプス

  曲:モーツァルト
  詩:ミサ典礼文


ドイツ歌曲:----------

Am Grabe Anselmos
 アンゼルモの墓で

  曲:シューベルト
  詩:クラウディウス

Die Lotosblume
 はすの花

  曲:シューマン
  詩:ハイネ

An eine Aolsharfe
 エオリアンハープに寄せて

  曲:ブラームス
  詩:メーリケ


ロシア歌曲:----------

Ни слова, о друг мой
 語るな、我が友よ

  曲:チャイコーフスキィ
  詩:ハルトマン(プレシチェーィエフ露訳)

Здес хорошо ...
 ここは佳きところ

  曲:ラフマーニノフ
  詩:ガリーナ

Маргаритки
 マーガレット

  曲:ラフマーニノフ
  詩:セヴェリャーニン


アンコール:----------

♪こひのぼり(幼稚園唱歌)

  曲:瀧廉太郎
  詩:東くめ

O mio babbino caro
 私の大好きなお父さん
 ~オペラ『ジャンニ・スキッキ』よりラゥレッタのアリア

  曲:プッチーニ
  詩:ダンテ


ピアニスト:島田 稲子




G-clef

このHPは、楽器本体である身体と声を通じて、線維筋痛症で末梢神経障害で脊椎側彎症で性同一性障害の声楽家@♪こーへー♪自身に起こる希少な症状と現状を、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いを込めた活動記録・告知サイトです。 *各種お問い合わせは<standalone2501s9♪gmail.com>まで(♪を@に変えて送信してください)*