いーーーーっ!



先週木曜から、胸鎖乳突筋の痙攣が多い。更に欠伸をすると大概顎舌骨筋が攣る。
仕事始まったからかなぁ、口内炎も出来てるし、高々2・3日で既に体力着いていってないか。

後頭筋もさることながら、顎舌骨筋胸鎖乳突筋がしょっちゅう硬直し始めてから、それはそれは歌に支障が出始めた。ちょっと歌っただけで、特にドイツ歌曲を歌うと頭(頭蓋骨)が痛くなる。そもそも普段から頸の旋回角度が180度ないので(要は左右横向けない)、頸の柔軟性が低いと満足に歌えない。

更に、オレの悪いクセで、リート(ドイツ歌曲)以外でもすぐにデックングしてしまう。デックングというのは口をすぼめて歌う技法の一つなんだが、オレの場合、何故か昔から下顎をちょっと出して若干「アィーン」気味に歌う癖があってよく怒られた。テクニックとして部分的に使う分には構わんのだが、全体を通してやってしまうと音も篭るし何より疲れる。ただでさえ普段から筋張が強くなってきた今日この頃、さて歌い方を変えねば楽に歌い続けることはより一層敵わんぞと。

まぁ歌い手としては基本的な話ではあるんだが、オレの場合、そこよりもまず普通の人がまず持ち得ない、ほぼ不可抗力的筋張への傾向と対策を講じなければならず、今日の合わせの録画を見ながらオレ流対策をちょっと考えてみた。


いーーーーっ!


別に近所の悪ガキとケンカしているわけではないが(子供の頃はしょっちゅうやってたなぁ…)、下顎が出ないようにするには「い」が一番形がいい。でもってオレの場合「あ」や「お」よりも「い」や「え」の方がいい声が出る傾向にあり、母音練習は「あ」よりも「い」「え」の方が力が抜けていい。


これや! と。


練習の際は一般論かつ基本にクソ忠実に「あ」だけで歌ったり母音だけで歌ったりしていたんだが、この際は「」、それも歯を閉じた状態で言葉を読んでみようと。意外とコレが理に適っているらしく、後頭筋頸部筋群の筋疲労がかなり少ない。まぁ口を動かしていない分必然的に舌骨筋の動きは減るんで楽は楽なんだが、それでも顎を出すという余計な力が一切掛からなくなるためか、顎周辺がかなり楽になる。更に音は若干金属的ながら、いつもより更に歯を意識している分、音が当たりやすい。


そう言えば昔、ある大先生曰く、

普段から大して口開けなくても喋れるんだから、『歌う=口を開ける』って学生の頃みたいに考えなくてもいいよ。好きに喋ればいいから。

その先生は他にも色んな常識を覆してくださり、オレの歌う意識はかなり楽になった。


まぁ最終的に目指す一点に変わりは無いんだが、声楽は本人の身体本体が楽器ゆゑにそのプロセスは結局人それぞれでないかと思う。

本番まで1週間。今のところコンディションは悪くない分、ちょっと楽しみである。





G-clef

このHPは、楽器本体である身体と声を通じて、線維筋痛症で末梢神経障害で脊椎側彎症で性同一性障害の声楽家@♪こーへー♪自身に起こる希少な症状と現状を、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いを込めた活動記録・告知サイトです。