『国樂』振興と唱歌の栄枯盛衰

《G-clef Presents vol.41 : ♪非日常空間♪ Salon G-clef Concert mov.17》

2019/01/20(日)13:30 - 15:30


♪愛が、多すぎる💛

 いつもより多めの曲数という事もあり、時間を大幅にオーバーしてしまったのは今回の最大の誤算。前回のCMでもあったように、当リサイタルを始めて今年で10年、その間歌ってきた童謡・唱歌・日本歌曲約100曲を厳選してもし切れず結局24曲。その作曲年や初出・経緯を調べ上げ、出来得る限り伝えたい知ってもらいたいという、唱歌への愛が多すぎて深すぎた結果、予定時間を大幅にオーバーしてしまった。これは次回への課題という事で。おまけに自作品の発表も3曲。

 まぁ曲数いつも通りでMCも脱線せなんだらいいだけの事なんですけどネ。


♪持ってるなぁ~

 結論として、それはそれは調子良かった。まぁボヤ的な事故は毎回で(まぁ歌詞間違いですなσ(^_^;))、朝から股関節やら骨盤やらが痛く、身体的には何だかんだあったものの変な筋張なく楽に歌えたのは、客席からのツッコミのお陰様々!! 程よい緊張感の無さwのお陰で、普段より目一杯盛り盛りに喋くった割には身体も強張らず(途中1回乳突筋痙攣は起こったが)、楽に声が出せた。ほぼ始終歌に集中出来たのも、気が楽になったお陰であろうか。朝の豪雨もこれまた昼には晴れて、結局このシリーズ10年間、本番で雨に祟られた事は1度も無い。

持ってるなぁオレ!ヾ(*´∀`*)ノ♪

 結局、腰椎はガッツリ歪んでいたらしく、翌日問答無用で矯正と相成った。


♪そもそもの問題

 唱歌というのは学校教材なので、その時代時代の世相や言葉・風俗なんかを反映するし影響を受けざるを得ないのは仕方ない。実際、今回の作品の中で、自身とピアニストとのほんの少しの年の差で、教科書改訂の年を挟んだが為に習った歌詞がたった1文字だけ違うという曲があり、演奏者側でも合わせ時点から盛り上がった。世代によって習った歌詞が違うのは唱歌の宿命でもあるし、改定内容が全て是とは限らず寧ろ改悪になることの方が多いがそれはそれで文化や言語の変遷や時代の流れを知る貴重な資料でもあり、親子間でその違いから話が広がる切っ掛けにもなる。原典を知った上で、改めて自分が習った歌詞との違いを感じて何某か興味を示してくれる人もいる。知ると知らぬとは何事に於いても大きな違いがある。その上で、原典が好きとか自分が習った方が好きとか、色々思って考えてくれる切っ掛けになれば一番嬉しい。

 何がアカンって、そもそも唱歌を習っていない子供が増えすぎている事、唱歌教育をヤメた事の方が大問題で。

 文部省! 自国民を廃人にする気か!!


♪音楽家の使命

 結局のところ詰まる所、歌うたいとして演奏家として自身に何が出来て何をすべきかと言うと、先人達が苦労の末に築き上げて来た『国樂』とその作品を絶やすことなく、何が何でも歌い続けていかねばなるまい。どんなに噛み砕いた演奏をするにも、まずは元の姿がどうであったか、そこにどんな背景があったかを知らねば上っ面なものしか提供出来ないし、それはプロとしてやっちゃいかん事であろう。形態云々の前に、己が作品にいかに真摯に向き合うか。それは作者たちへの最大にして当然の敬意の表し方であると肝に銘じ、堺の片田舎でひっそりとながらも演奏を続ける小生の、大袈裟かも知れんが天命としてこれからも歌い続ける所存である。

 あー堅ぁ(w)。

 ともあれ、お越しいただいたお客様、長い時間ありがとうございました!!


<プログラム>

■ドウヤウ ノ ブ :童謡の部~~~~~

♪あわて床屋(1919)
  詩:北原白秋
  曲:山田耕作

♪てるてる坊主(1921)
  詩:浅原鏡村
  曲:中山晋平

♪ちんちん千鳥(1921)
  詩:北原白秋
  曲:成田為三

♪ちんちん千鳥(1921)
  詩:北原白秋
  曲:近衛秀麿

♪雨降りお月(1925)
  詩:野口雨情
  曲:中山晋平


♪赤とんぼ(1927)
  詩:三木露風
  曲:山田耕作

♪この道(1927)
  詩:北原白秋
  曲:山田耕作

♪鞠と殿様(1929)
  詩:西條八十
  曲:中山晋平

♪たきび(1941)
  詩:巽聖歌
  曲:渡辺茂


♪シヤウカ ノ ブ :唱歌の部~~~~~

♪庭の千草(菊)(1884 / 小学唱歌集第三篇)
  詩:里見義
  曲:J.Stevenson [髙岡康平編]

♪夏は来ぬ(1900 / 新編教育唱歌集[五])
  詩:佐佐木信綱
  曲:小山作之助

♪こひのぼり(1901 / 幼稚園唱歌)
  詩:東くめ
  曲:瀧廉太郎 [髙岡康平編]

♪蟲のこゑ(1910 / 尋常小学読本唱歌)
  詩:不詳
  曲:不詳

♪もみじ(1911 / 尋常小学唱歌[二])
  詩:高野辰之
  曲:岡野貞一

♪村祭(1912 / 尋常小学唱歌集)
  詩:不詳
  曲:不詳

♪茶摘(1912 / 尋常小学唱歌[三])
  詩:不詳
  曲:不詳

♪村の鍛冶屋(1912 / 尋常小学唱歌[四])
  詩:不詳
  曲:不詳


♪早春賦(1913 / 新作唱歌 第三集)
  詩:吉丸一昌
  曲:中田章

♪海(1913 / 尋常小学唱歌[五])
  詩:不詳
  曲:不詳

♪鯉のぼり(1913 / 尋常小学唱歌[五])
  詩:不詳
  曲:弘田龍太郎

♪浜辺の歌(1916 / 中等音楽[二])
  詩:林古渓
  曲:成田為三

♪待ちぼうけ(1924 / 満州唱歌集[一・二])
  詩:北原白秋
  曲:山田耕作

♪こひのぼり(1931 / ヱホンシヤウカ ハルノマキ)
  詩:近藤宮子
  曲:不詳

♪うみ(1941 / ウタノホン 上)
  詩:林柳波
  曲:井上武士


♪オタノシミ ノ ブ :お愉しみの部~~~~~

髙岡康平『大阪弁のイントネーションによる童謡』より

♪鯉幟(堺五月鯉幟)
  詩・曲:髙岡康平

♪ちんちん千鳥
  詩:北原白秋
  曲:髙岡康平

♪七草
  詩・曲:髙岡康平


ピアニスト:島田 稲子




G-clef

このHPは、楽器本体である身体と声を通じて、線維筋痛症で末梢神経障害で脊椎側彎症で性同一性障害の声楽家@♪こーへー♪自身に起こる希少な症状と現状を、少しでも多くの人に知ってもらいたいという思いを込めた活動記録・告知サイトです。 *各種お問い合わせは<standalone2501s9♪gmail.com>まで(♪を@に変えて送信してください)*